中越沖地震の応急危険度判定の手伝をして
新潟県建築士会三南支部の要請で応急危険度判定の手伝いに行ってきました。
加茂建築士会より茂野さんと私2名一組で柏崎市西山町西山支所にて西山町周辺の被災住宅 をいくつかのブロックにわけられた範囲 を渡された住宅 地図を頼りに応急危険度判定を行いました。
判定数は総数23世帯 で危険3、要注意18、安全2 の結果でした。
A,危険については 手を加えられる状態でない住宅
1、 地盤の 液状化現象で 地盤が陥没しており基礎が沈み込み床が浮いている状態
基礎が崩壊して建物が傾いている、余震による 倒壊の危険ありと判断
2、建物が傾斜地に建っており一階は土留め代わりの基礎で地震による亀裂があり建物は地滑りで傾いている ので危険としました。
B、要注意
1,建物はしっかりとしてはいるが手を加えないと入れない、建具の建付修理、屋根瓦の落下注意、壁の剥離 、地盤の亀裂はあるが建物には影響が少ない。 基礎に亀裂あり建物は安定している。
C、安全
1 新築したばかりで 地盤がしっかりしており壁量も豊富で地震による影響がたてものには見受けられなかった。屋根は軽量材で葺かれていました。
2、明治時代にたてられた家屋で伝統工法で建てられており指し鴨居がしっかりと効いており壁の剥離はあるものの狂いや傾きは無く住むには影響は無いと判断しました。
このお宅も屋根は軽量材で葺かれておりました。
以上危険度判定で気づいたことは
平地では川に近い所は液状化現象が多く見受けられました。
山沿いでは長雨により地震の影響で地盤に亀裂が入り地滑りの危険の箇所が多く見受けられました。思っているより山の地盤は良くないみたいです。
今では住宅を建てる前では地盤調査をするのは当たり前のようですが、調査した住宅のほとんどが30年か40年前の 建物でその当時は地盤や基礎に対する考え方は建物よりあまり重きに感じていなかったかもしれません、建物は頑丈で立派ですがほとんどの建物の基礎には亀裂が生じ基礎と建物のズレが見受けられました。住宅造りで自分の地盤の状態を把握して基礎の検討をはかることの重要さを深く考えさえられました。
壁のバランスの、わるさからくる建物のねじれ、当たり前のようですが 壁量計算の大切かが解りました。
安全であった一軒の建物はそのほとんどがクリアしていると思われます、しかしもう一つの明治時代に伝統工法で建てられたお宅は差し鴨居が効いたのか原因はわかりませんが地震の影響があまり、みうけられないのは不思議でした。伝統木構造家の増田一眞先生の在来工法と伝統工法の違いが著書の中で書かれている道理からすれば、なるほどと、おもいますが伝統工法を再認識しました。共通していえることは屋根が軽い地盤が良いと言うことです。
判定中に被災にあわれた方よりいろいろと相談を受けました出来るだけのアドバイスはいたしましたが、被災されて一週間たっても戸を一枚直すことの出来ない手の尽くしようのない惨状を見て今自分がなにもお手伝い出来ないことに歯がゆさを感じつつ被災された方々には心よりお見舞い申しあげて参加してきました